2009年 10月 02日
クロコノマチョウの羽化
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初めて見たクロコノマチョウの羽化シーンは素晴らしい光景でした。
でも…惜しい事に羽化の始まる瞬間は見逃してしまいました。
それというのも、待っている時間があまりにも長過ぎたからです。
この日の師匠のテーマはクロコノマの成虫の撮影でした。
ところが、蛹や幼虫はジュズダマなどの食草でたくさん見つかっても、成虫は辺りにいませんでした。
それでもうれしいことに間もなく羽化しそうな蛹を見つけたので、羽化を待って見守ることに決めました。
剥離の終了には40分程かかりました。
羽化の準備は整ったというのに、わくわくしながら観察を続けてもこの後は変化が見られません。
でも、少し目を離した隙に羽化はあっというまに終わってしまう…ということを、自宅ベランダのアゲハで身を以て体験しているので、目を離すことが出来ず、ずっと緊張が続きました。
師匠と交代で見張り、休憩したり幼虫などの撮影をしながら待ちました。
お昼になり、師匠がお弁当を食べ始めたので、私もおにぎりを取りに行き定位置に戻ると、なんとそこには羽化直後のクロコノマがいました。
でも位置が違います。蛹を確認すると蛹はもとのままです。
そうです、別の蛹が羽化の瞬間を迎えたのです。
ターゲットからの距離は斜め下50cmくらいでした。
まったく眼中にありませんでした。
とりあえず食事を中断して師匠とその蝶の撮影をしました。
幼虫の集団が同じように成長するのだとしたら、付近にはもっと羽化を待つ蛹があるのではないか…と、師匠とあらためて辺りを探してみました。でも見つかりませんでした。
件の蛹の見張りに戻ってしばらくすると、少し離れた所にちょっと妖しい形の幼虫が見えたので、休憩している師匠を呼んで見てもらいました。前蛹でした。再び交代で見張りながら撮影をしました。
すると、師匠がさらなる羽化直個体を見つけたのです!!
それはなんとその前の蝶の斜め下80cmくらいのところです。
しかも、翅の状態からその前に見つけた個体よりも先に羽化したようでした。
なんということでしょうか。こんなに近くに、しかもずっとその場にいたのに、2つの蛹を見落としていたのです。木道より下で、木道のすぐ横だったのでターゲットを観察している位置からは死角だったとはいえびっくりしました。
そんなこんなで信じられない出来事に大笑いしながらも定位置に戻って観察を再開しました。
向こうに見える前蛹に気をとられている隙にスタートしていたのです。
師匠に声をかけてあわてて撮影しました。
長い待ち時間だったというのにあっというまの出来事でした。
剥離終了後から1時間半くらいのことでした。
羽化スタートは1時18分。他の2匹は12時少し前だったと思われます。
ひとつ目のGIFアニメからふたつ目のGIFアニメの終了までは2分かかっていません。
羽化待ちはちょっとの油断が命取りですね(^^;)
蛹から出たばかりの顔は変な事になっています。
翅が伸びると時々パタ、パタと半開しました。
羽化直後の蝶は翅の試運転とともに、口吻を伸ばしてみたりしていました。新しい身体に驚いているのでしょう。
それにしても待った甲斐のある神秘的で素晴らしいシーンでした。
by papilabo
| 2009-10-02 23:55
| タテハチョウ科