2005年 06月 17日
ヒョウモンモドキ
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お腹が短く見えますが、上にあげているのです。
メスは花の上で休んでいても、オスに求愛されると途端に忙しそうに吸蜜を再開したりお腹を上にあげたりして拒絶していました。
上がメスで下がオスです。オスの方が黄色っぽいです。
実は探していて見つけたのではなく、一番最初に見つけた蝶を追いかけていてフト目に留まりました。
カップル成立よかったね!わたしも立ち会えてよかったよ!
チョウセンアカシジミもそうなのですが、保護されている狭い場所にはたくさんの蝶たちが幸せそうに飛び交っていて、その楽園の中にいると絶滅を危惧されているなんて思えません。
でもあまり遠くにいかずに蝶たちが生活しているので、ある日心ない人たちがその場所に踏み込んだりしたらたちまち居なくなってしまうことでしょう。
楽園の中に身を置き、手で触れるくらいにおっとりとした蝶と戯れ夢のような時間を過ごしながらも少し憂鬱な気分になりました。
とはいえ、突然の訪問者に対して親切に楽園の生き物たちやお花を紹介してくださった土地の所有者様には感謝しております。
農作業の合間にヒョウモンモドキだけではなく、ハッチョウトンボの数を数えたりして愛でている様子が印象的でした。
そんな保護の会の方をはじめとする蝶を愛する人たちががっかりする日が来ない事を祈るばかりです。
ヒョウモンモドキは現在広島のある地域でしか見る事のできない貴重な蝶です。
なぜそんなに珍しい蝶になったのかというと、環境の変化もありますが、採集者の数と少なくなった蝶の数のバランスが崩れたからです。
蝶の採集すべてを否定はしないし、可能な限りのすべての蝶で標本箱を飾りたい気持ちは分からなくありませんが、
絶滅を危惧され天然記念物に指定されている蝶、しかも保護区として蝶のために下草を刈ったり、食草を植えるなどの努力あってこその場所において平気で蝶や卵や幼虫を盗む事は人間としてとても恥ずかしいことではないでしょうか。
と、ヒョウモンモドキに限らず常識に欠けた採集者には憤りを感じるのですが、言葉が通じないような相手には何を言っても無駄なのでしょうね。
いきなり怒りをあらわにしてしまったのは、以前棲息を確認していた場所からこの蝶が消えてしまっていたからということもあります…
この蝶の写真をアップするにあたって、私は採集者の採集欲求を刺激してしまうことを恐れてとても迷いました。
でも、撮影者がこの蝶に興味をもってくれること、注目してくれることで採集者がこっそりと盗みに行く事を防ぐ事ができるのではないかと考えました。
それに、自粛して採集をしないでくれている人が、写真を撮ることに目覚めてくれればいいな…と思いました。
標本ではなく写真を撮りましょう!蝶の美しさはその翅だけではありません、自然の中で花にとまっている様子や、生命の営みなどを通してもっともっと魅力的な存在になることでしょう。
by papilabo
| 2005-06-17 22:36
| タテハチョウ科